テイセン版ちょっとためになる話

リネンものがたり

リネンの歴史

人類最古の繊維'リネン'

2009年ハーバード大学とグルジア国立博物館の共同チームがグルジアの洞窟から3万4千年前の世界最古の繊維を発見した事を米科学雑誌「サイエンス」に発表しました。

発見された亜麻繊維のなかには、ねじられた様な形跡も見られ、これらを糸にして衣服やロープなどを作っていたと考えられています。

これによりそれまで約1万年前と考えられていた亜麻糸の起源がさらに2万年以上遡る事実が明らかになりました。

古代エジプトでは、リネンは"Woven Moonlight(月光で織られた生地)"と呼ばれ、広く神事にも使用されていました。また、ギリシャ、ローマの貴婦人の間では、上質で純白なリネン(亜麻布)が、重宝されていました。 先史時代のスイスでは湖畔生活をしていた民族がリネンの衣類や、舟の帆やロープとして使用していました。そして、その後のヨーロッパ文明に引き継がれ、長い歴史を築き上げ、今日まで私たちの生活に欠くことのできない素材として、その伝統を誇り続けています。

ヨーロッパに深く根づき、発展したリネン

古代エジプトで芽生えたリネン文化は時を経て、中世ヨーロッパにしっかりと根づきました。そして18世紀から19世紀にかけて、アイルランドにおいてリネン製品はその品質の高さで世界中に名声を確立し、今日までヨーロッパ伝統社会にその長い歴史を築き上げてきました。
ヨーロッパの多くの家庭で、家宝として代々受け継がれているテーブルリネンやベッドリネン。家風や品格、美意識を象徴するそれらのリネンは、母から娘へ、娘から孫へと、嫁ぐ日に託される大切な家伝の品とされています。これがヨーロッパの良家の伝統です。

あらゆるフォーマルなシーンに登場するリネン

現在、英国王室の正式晩餐会のテーブルをはじめ合衆国ホワイトハウスなど、格式と権威を重んじる場には必ずリネンが採用されています。また、世界のファッションシーンには欠くことのできない素材として、さらには世界の一流ホテルで使用されるなど、あらゆるフォーマルなシーンでリネンは活躍しています。